相関係数とは?計算方法と計算例・目安、散布図の見方をわかりやすく解説
相関係数とは
相関係数は、2つの項目の間に、どれだけ強い直線的な関係があるかを表す数値です。たとえば「加熱温度」と「硬さ」、「部品の厚さ」と「重さ」のように、2つの測定項目の関係を調べるときに使います。
相関係数は r で表し、−1 から 1 までの値をとります。
- 正の相関(r が 0 より大きい):一方が大きいほど、もう一方も大きい
- 負の相関(r が 0 より小さい):一方が大きいほど、もう一方は小さい
- 相関なし(r が 0 に近い):直線的な関係が見られない
1 や −1 に近いほど、関係が強いことを表します。
散布図と相関係数
相関係数は、散布図(2つの項目を横軸と縦軸にとって、点を打った図)と一緒に見るのが基本です。点の並び方と相関係数は、次のように対応します。
- 点が右上がりの直線のまわりに細く集まるほど、r は 1 に近づきます
- 右下がりなら、r はマイナスになります
- 点が丸く散らばり、傾きが見えないときは、r は 0 に近くなります
計算式
2つの項目を x と y、それぞれの平均を と とします。
r = Sxy ÷ √(Sxx × Syy)
| 記号 | 意味 | 求め方 |
|---|---|---|
| Sxy | x と y の偏差の積の和 | (x − ) × (y − ) をすべて足す |
| Sxx | x の偏差の2乗の和 | (x − )2 をすべて足す |
| Syy | y の偏差の2乗の和 | (y − )2 をすべて足す |
偏差とは、それぞれの値と平均との差のことです。x と y が同じ向きにずれている組が多いほど Sxy が大きくなり、r も大きくなります。
計算例
加熱温度 x と硬さ y を5回測った結果です。平均は = 120、 = 54 です。
| 温度 x(℃) | 硬さ y | x − | y − | (x − )(y − ) | (x − )2 | (y − )2 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100 | 52 | −20 | −2 | 40 | 400 | 4 |
| 110 | 54 | −10 | 0 | 0 | 100 | 0 |
| 120 | 55 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 130 | 54 | 10 | 0 | 0 | 100 | 0 |
| 140 | 55 | 20 | 1 | 20 | 400 | 1 |
| 合計 | Sxy = 60 | Sxx = 1,000 | Syy = 6 |
r = 60 ÷ √(1,000 × 6) = 60 ÷ √6,000 = 60 ÷ 77.46 = 0.77
温度が高いほど硬くなる傾向があり、比較的強い正の相関といえます。
相関の強さの目安
一般によく使われる目安は次のとおりです。
| r の絶対値 | 目安 |
|---|---|
| 0.7 以上 | 強い相関がある |
| 0.4 以上 0.7 未満 | 中程度の相関がある |
| 0.2 以上 0.4 未満 | 弱い相関がある |
| 0.2 未満 | ほとんど相関がない |
ただし、この目安はデータの数によって意味が変わります。次の「注意点」も確かめてください。
相関係数を見るときの注意点
相関係数は1つの数値で関係をまとめるので便利ですが、数値だけを見ると判断を誤ることがあります。必ず散布図と一緒に確かめてください。
相関があっても、原因と結果とは限らない
相関係数が大きくても、一方がもう一方の原因だとは限りません。たとえば、夏に気温が上がると「アイスの売上」も「エアコンの故障」も増えるため、この2つには相関が出ますが、アイスがエアコンを壊すわけではありません。このように、別の要因によって生じる見かけの相関があります。原因を確かめるには、工程の知識や実験と組み合わせて判断します。
外れ値1つで値が大きく変わる
ほかと大きく離れた点が1つあるだけで、相関係数は大きく変わります(図の①)。散布図で外れ値を見つけたら、測定のミスや記録の誤りではないかを確かめてください。
曲線の関係は表せない
相関係数が表すのは、直線的な関係の強さだけです。山なりや U 字形のように曲線の関係があっても、相関係数は 0 に近くなることがあります(図の②)。
性質の違うグループが混ざっていないか
設備、材料のロット、作業者など、性質の違うグループのデータが混ざると、それぞれのグループでは関係がないのに、全体では相関があるように見えることがあります(図の③)。逆に、関係が隠れてしまうこともあります。グループに分けて見る(層別する)と、本当の関係が見えてきます。
データが少ないと、偶然でも大きな値が出る
データが少ないと、本当は関係がなくても、偶然に大きな相関係数が出ることがあります。偶然では出にくいといえる(5%の有意水準で相関があるといえる)r の絶対値の目安は、次のとおりです。
| データの組数 | r の絶対値の目安 |
|---|---|
| 5 | 0.878 以上 |
| 10 | 0.632 以上 |
| 20 | 0.444 以上 |
| 30 | 0.361 以上 |
| 50 | 0.279 以上 |
| 100 | 0.197 以上 |
上の計算例(5組で r = 0.77)は、この目安に届かないため、偶然の可能性を否定できません。関係を確かめるには、データを増やして調べ直します。
決定係数 r2
相関係数を2乗した値 r2 を、決定係数といいます。y のばらつきのうち、x との直線的な関係で説明できる割合を表します。
計算例では r2 = 0.772 ≒ 0.60(正確には 3,600 ÷ 6,000 = 0.60)で、硬さのばらつきの約60%が温度との直線的な関係で説明できる、という意味になります。
Excel で求める方法
A2〜A21 に x、B2〜B21 に y がある場合の例です。
| 求めるもの | 式の例 |
|---|---|
| 相関係数 r | =CORREL(A2:A21,B2:B21) |
| 決定係数 r2 | =RSQ(B2:B21,A2:A21) |
散布図は、2列を選んで「挿入」から「散布図」を選ぶと作れます。
このサイトのツールで計算する
相関分析ツールでは、2つの項目のデータを貼り付けるだけで、相関係数と決定係数(ツールでは R² と表示)を計算し、散布図を表示します。回帰直線も表示できます。登録不要・無料で使えます。